問題ありの義弟は、義姉に独占欲強め。
でも、これ以上はヤバいと、
脳が警笛を鳴らす音が聞こえて。
ほんの少し笑ってから慌てて、
羽那を押し返すように、俺は起き上がった。
『〝1とうしょう〟のご褒美ありがと、』
俺は自分の部屋なのに、
そう告げると、羽那を残して部屋を出た。
いまの羽那は、まだ何も分かっていない。
分かっていないからこそ、
俺がどこかで、自制しなきゃいけない。
初めて、羽那が起きてるときに付けた、
──────キスマーク。
羽那から貰った、
〝1とうしょうのご褒美〟それは...............
その〝ご褒美〟の裏に隠されたのは、
やっぱり、俺の──────独占欲。
羽那に〝キスマーク〟を付けたくて、
〝ご褒美〟なんて言葉で誤魔化した。
〝ご褒美〟って言葉に、
隠された独占欲を、羽那は知るよしもない。