問題ありの義弟は、義姉に独占欲強め。
ギリギリのところで抑えて我慢した。
それから、花火が始まった。
少しでも羽那を安心させたくて。
少しでも羽那を感じていたくて。
俺の右手と羽那の左手を握りながら花火を見ていた。
そんな中、目の前のカップルが、
──────チュッとキスをしたのが見えた。
昔、羽那が言ってた花火のジンクス。
ずっと、一緒にいられるとか、そういう系のジンクス。
俺は正直興味なんてなかった。
だけど、他のやつが羽那と経験するぐらいならと思って聞いてみた。
『なぁーー、羽那?』
『んー、どしたの?ゆっくん?』
怪しまれないようにゆっくりと声をかけて。
『羽那は、ジンクスって信じてんの?』
『う?へ?う?お?』
俺がそう聞いたら、
羽那は言葉にならない言葉で動揺した。