問題ありの義弟は、義姉に独占欲強め。
でも、今の俺にあるのは、ドス黒い独占欲。
俺のいないところで、
羽那に話しかけたバツだ。
「......あのさ、金輪際、羽那に話しかけんな
変なニックネームも付けんな。
羽那の視界にすら入るな。
俺、先輩だからって容赦しねぇよ?」
俺は、
先輩だろうが、気にせず言葉をぶつけた。
「っ、は、はい、す、
すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺が言葉を放つと、
震えた声で謝りながら教室に戻る伊藤雅也。
たぶん、いまの俺は、
喜怒哀楽の〝怒〟が、
今朝、羽那といた時よりも強く出てる状態。
凄く怖いんだろーな。
でも、俺はそれでいい。
〝羽那を独占したい〟って思うのと同時に、
〝俺を独占できる〟のも、
羽那だけって決めてるから。
羽那以外の女も、
他の男たちも、嫌われたっていい。
俺は、
──────羽那に好かれてたら満足だから。