わたしだけの吸血鬼



 授業と部活を終え帰宅した私は、テーブルを見てうめいた。

「本当にピーマンだらけ……!」
「自業自得だろ」

 テーブルには夜紅さんお手製のピーマンの肉詰め、おひたし、ナムルがずらりと並べられていた。

「ピーマンくらい食えるようになれよ。いつまでも子どもじゃないんだ」
「まだ子どもでいいですー!」

 私は夜紅さんが作ってくれたピーマン料理を、頑張って胃袋の中に流し込んだ。これがあと六日続くのかと思うと、げんなりする。

「ほら、これでも食べとけ」

 夜紅さんが口直しにとテーブルに置いたのは、コンビニで売っている桃のシャーベットアイス。私が最近ハマっているアイスだ。

(よく見てるな……)

 こんな些細な気遣いでさえ、飛び上がりたくなるほど嬉しくなってしまう。私は夢見心地でシャーベットアイスを完食した。
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