ヴァンパイアの天宮くんは血より私が欲しいらしい
｢よーし、席に着けー。｣


担任の東山先生がジャージ姿で教室に入ってきた。

東山先生は体育教師なのでいつも朝からジャージ姿が多いのだ。


｢実は今日からお前たちに新しい仲間ができる｣

えー！？と驚くクラスメイトもいれば、どんな子が来るのだろうとワクワクしているクラスメイトもおる。

前の方にいる男子たちは両手を合わせて女の子が来ますようにと祈っている。

静かにーと騒がしいクラスメイト達に言う東山先生。

静かになったがみんなソワソワしている。
転校生がどんな子なのか気になるんだろう。

私も気にならない…わけではない。


｢入ってきてくれー。｣


東山先生がそう言うと教室のドアが開いた。


入ってきたのは男の子だった。


サラサラの黒髪にシュッとした顔はテレビに出ているイケメン俳優と言われている人達に負けないくらい整った顔立ちをしている。

身長は見るだけで180cm以上ありモデル体型をしている。

気づくとクラスの女子はみんなは転校生くんの方を見てうっとりしていた。

隣の席の美琴はぽかーんとした顔をしている。


｢じゃあ自己紹介してくれ｣


と東山先生が転校生くんにチョークを渡した。


黙々と黒板に名前を書く転校生くん。



転校生くんが名前を書き終えると黒板には、『天宮 翔琉』と書いていた。



｢天宮 翔琉(あまみや かける)です。親の都合で県外から引っ越してきました。これからよろしくお願いします。｣


天宮くんって言うんだ…。


クラスのみんなが拍手をすると東山先生は彼を空いている席に座るように言ってた。


今空いている席は1番後ろの席の角っこの2席。


ちなみに窓側の角っこの席は私の隣だ。


｢こっち来る！｣と私の席の周りの女子がキャーと言っているのが聞こえた。


どうやら彼は私の隣の席を選んだようだ。

なんか…、変に緊張するな…。


｢よ、よろしく…｣


私が挨拶すると天宮くんはこっちを向いて

｢よろしく｣


と素っ気ない感じで返事をしてきた。

緊張してるのかなと思った私はそれ以上天宮くんと話すことなくHRを進める先生の話を聞いていた。
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