陽生先生のキケンな恋愛指導


「それなら仁胡、一緒に歌おうよ」

「三奈……!」


 よかった〜〜!!救世主!!

 三奈の助け舟のおかげで何とか乗り切れた。
 私はほぼサビしか歌ってないけど、何とか場を盛り下げずに済んだみたい。


「仁胡ちゃんって声もかわいいよね」

「えっ、そうかな?」


 そんなこと初めて言われた。


「……ねぇ、二人で抜け出さない?」


 こそっと囁かれる甘い言葉に、私の心臓はドクンと飛び跳ねる。

 えっえっ、それって……!

 ラブの予感では――!?

 あれ、でもこの人名前なんだったっけ……?


「行こ、仁胡ちゃん」

「あっちょっ!」


 グイッと腕を掴まれて立たされ、カラオケの外に連れ出される。
 強引だけど、意外と嫌じゃない。

 やっぱりこれ、ラブの予感なんじゃない!?


「仁胡ちゃんってさ、今まで彼氏いたことあるの?」

「えっまあ、一応…すぐフラれちゃったけどね」

「マジで?もったいな!仁胡ちゃんが彼女だったら絶対手離さないけどな」


 えっ、それって……


「ねぇ仁胡ちゃん、俺たち付き合わない?」


 き、きたーーーー!!


「まだ出会ったばかりだけど、仁胡ちゃんのことすごくいいなって思ったんだよね。明るくてかわいいし…」


 かっかわいいだなんて……!!


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