陽生先生のキケンな恋愛指導


 なんか咄嗟に先生が手を伸ばしてきたと思ったら、その後何かが落ちてくる音がして……
 床を見ると教材やら資料やらが散乱している。

 どうやら棚から落ちてきたようだ。


「――大丈夫か?」

「……っ!」


 目と鼻の先から煙草の香り。
 そして、あまりにも美しい先生の整った顔がドアップで映っている。

 そこで、先生の腕が私の肩に回され、庇って守ってくれたことにも気がついた。
 一瞬だけど抱きしめられたということだ。

 私の体温が急上昇していくのがわかる。
 それに、目の前の先生の顔があまりにも綺麗すぎて……先生ってやっぱり――、


「……陽生日華に似てますね」

「は?」

「やっぱり身内なんじゃないですか?」

「……。」


 すると先生は私の鼻をキュッと摘んだ。


「っ!?」

「そこで別の男の名前出すとかねぇだろ」

「はえっ!?」

「俺を惚れさせるんじゃなかったわけ?」

「っっ!?」


――あれっ!?やっぱりアレ、冗談じゃなかったの!?


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