陽生先生のキケンな恋愛指導
「なんでなの!?私はただ普通に恋がしたいだけなのに!!」
少女漫画みたいな甘くてドキドキする恋がしたいのに、現実はどうしてこうも辛いんだろう……。
「イケメンでちょっと意地悪だけど、優しくて私だけを好きでいてくれる激甘な彼氏が欲しい!!」
「そんなの二次元にしかいないよ」
「ひど!!仁菜ちゃんだって最近彼氏と別れたくせに!!」
「生意気言うのはこの口か?」
「すいまへんっ」
仁菜ちゃん、痛いです。
ほっぺがちぎれるよ……!!
「仁胡ってさ、ワルい男に引っかかりそうじゃない?」
スマホをいじりながらクールに言う仁香ちゃん。
「ワルい男?」
「えーっ!流石に不良とかヤクザはやだ!!」
「そういう意味じゃない」
「浮気したり女遊び激しいってこと?」
「それは既に引っかかってる」
その言い方めっちゃ悲しくなるからやめてよ……。
「そうじゃなくて、惚れたら抜け出せなくなる沼の深い男のことよ」
惚れたら抜け出せなくなる沼……?
私も仁菜ちゃんもポカンとして仁香ちゃんを見つめる。
「女心をくすぐるのが上手くて、いい意味で翻弄させてくるモテる男。
そのくせこっちには本気にならなくて、捕まえようとするとすり抜けていくの」