炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
陛下からの贈り物
日が沈んでからしばらくすると、リアムが部屋に戻ってきた。
顔色は悪く、暖炉の前の長椅子に深く座る。ミーシャは昨日と同じように、身体が温まる薬草スープをサイドテーブルに置いた。
「お疲れのようですね」
「雑務が多いだけだ」
「オリバーさまの足取りは掴めましたか?」
リアムは首を横に振った。
オリバーが結界に触れたあのとき、魔力で追跡しようとした彼を止めなければ、なにかわかったかもしれない。ミーシャに魔力があれば止めるのではなく一緒に追えたのにと悔しくなった。
「きみにこれをあげる」
下を向いてしまったミーシャにリアムは手のひらほどの球体を差し出した。
「これってもしかして、スノードームですか?」
ミーシャは受け取り、じっと見つめた。丸い球体の中には、氷の宮殿が収まっている。上下に軽く振ると、中で雪がはらはらと舞った。
「とても、きれいです……」
「執務の合間に作ってみた」
「こんなすてきな物を、私がもらってもいいんですか?」
「治療と、懐炉のお礼だ。雪が好きだと言っていたから、魔力と雪、氷を材料にした」
「ということは、本物で作っているということですね?」
――しかもリアムの魔力がこもった物。手作り!
「氷でできているが、ガラスみたいだろ。溶けたりはしない。火の中に入れても大丈夫。炎の鳥にかかれば……溶かせるかも知れないけど」
「絶対溶かせたりしません」
ミーシャはもう一度、ドームの中を覗いた。雪がふわりと舞うのが幻想的で、見ていて飽きない。
「宝石を贈ろうかとも考えたんだが、きみは過度に着飾ることが好きじゃないだろう。こっちのほうがいいかなと思って」
ミーシャはほほえみながら頷いた。
「私、自分を着飾るのが苦手というか、どうしたらいいかわからなくて。陛下からの雪のプレゼント、とても嬉しいです」
「喜んでもられてよかった」
「大切にしますね。本当にありがとうございます」
角度を変えて、スノードームを眺め続けた。
顔色は悪く、暖炉の前の長椅子に深く座る。ミーシャは昨日と同じように、身体が温まる薬草スープをサイドテーブルに置いた。
「お疲れのようですね」
「雑務が多いだけだ」
「オリバーさまの足取りは掴めましたか?」
リアムは首を横に振った。
オリバーが結界に触れたあのとき、魔力で追跡しようとした彼を止めなければ、なにかわかったかもしれない。ミーシャに魔力があれば止めるのではなく一緒に追えたのにと悔しくなった。
「きみにこれをあげる」
下を向いてしまったミーシャにリアムは手のひらほどの球体を差し出した。
「これってもしかして、スノードームですか?」
ミーシャは受け取り、じっと見つめた。丸い球体の中には、氷の宮殿が収まっている。上下に軽く振ると、中で雪がはらはらと舞った。
「とても、きれいです……」
「執務の合間に作ってみた」
「こんなすてきな物を、私がもらってもいいんですか?」
「治療と、懐炉のお礼だ。雪が好きだと言っていたから、魔力と雪、氷を材料にした」
「ということは、本物で作っているということですね?」
――しかもリアムの魔力がこもった物。手作り!
「氷でできているが、ガラスみたいだろ。溶けたりはしない。火の中に入れても大丈夫。炎の鳥にかかれば……溶かせるかも知れないけど」
「絶対溶かせたりしません」
ミーシャはもう一度、ドームの中を覗いた。雪がふわりと舞うのが幻想的で、見ていて飽きない。
「宝石を贈ろうかとも考えたんだが、きみは過度に着飾ることが好きじゃないだろう。こっちのほうがいいかなと思って」
ミーシャはほほえみながら頷いた。
「私、自分を着飾るのが苦手というか、どうしたらいいかわからなくて。陛下からの雪のプレゼント、とても嬉しいです」
「喜んでもられてよかった」
「大切にしますね。本当にありがとうございます」
角度を変えて、スノードームを眺め続けた。