炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
二度と失いたくない
寝台の横の大きな本棚の空いている場所にスノードームを置くと、ミーシャはリアムに向き直った。
「陛下。仰向けに寝てください。よく眠れるようにマッサージをして差しあげます」
ミーシャはライリーがいつもするように、両腕の袖をまくった。
「冷え性にはマッサージが効果的なんですよ」
「冷え性?……俺は別に、血流が悪いわけじゃない」
「わかってますよ。でもいろいろ試すお約束です」
ミーシャはお風呂で使った香油を持ってきていた。手に塗ると、リアムの手のひらからマッサージをはじめる。
「陛下、目を閉じてください。眠くなったらそのまま寝ていただいてけっこうですからね」
ミーシャは炎の鳥を呼ぶと、リアムの胸とお腹の上に乗せた。
「変わった施術だな……」
「動いちゃだめです」
彼の大きな手のひらを指でやさしくさすり、軽く押して揉んでいく。次に手首、腕をやさしくさする。
「強さはどうですか?」
「気持ちいい」
「私が国に帰ったあとは、新しいお妃さまにしてもらってくださいね」
「結婚をするつもりはないって言ってるだろ」
リアムはふんっと顔を逸らしてしまった。
スープや、マッサージよりも症状の和らげるのに一番いい方法がある。ミーシャはマッサージの手をとめると、思い切って口を開いた。
「陛下。どうしても伴侶は必要ないと仰るのなら、私に、クレアの魔鉱石を使わせてください」
リアムの表情があきらかに険しいものに変わったが、そのまま考えを伝えた。
「魔鉱石があれば、陛下の治療もできるし、私は自分自身を守れます。陛下のお力にもなれる」
「魔鉱石はないと、前に言っただろ」
ミーシャはリアムの手をぎゅっと握った。
「誓います。私は決して陛下を、グレシャー帝国を火の海に沈めない。陛下のためにしか使いません。だから、信じてください」
「陛下。仰向けに寝てください。よく眠れるようにマッサージをして差しあげます」
ミーシャはライリーがいつもするように、両腕の袖をまくった。
「冷え性にはマッサージが効果的なんですよ」
「冷え性?……俺は別に、血流が悪いわけじゃない」
「わかってますよ。でもいろいろ試すお約束です」
ミーシャはお風呂で使った香油を持ってきていた。手に塗ると、リアムの手のひらからマッサージをはじめる。
「陛下、目を閉じてください。眠くなったらそのまま寝ていただいてけっこうですからね」
ミーシャは炎の鳥を呼ぶと、リアムの胸とお腹の上に乗せた。
「変わった施術だな……」
「動いちゃだめです」
彼の大きな手のひらを指でやさしくさすり、軽く押して揉んでいく。次に手首、腕をやさしくさする。
「強さはどうですか?」
「気持ちいい」
「私が国に帰ったあとは、新しいお妃さまにしてもらってくださいね」
「結婚をするつもりはないって言ってるだろ」
リアムはふんっと顔を逸らしてしまった。
スープや、マッサージよりも症状の和らげるのに一番いい方法がある。ミーシャはマッサージの手をとめると、思い切って口を開いた。
「陛下。どうしても伴侶は必要ないと仰るのなら、私に、クレアの魔鉱石を使わせてください」
リアムの表情があきらかに険しいものに変わったが、そのまま考えを伝えた。
「魔鉱石があれば、陛下の治療もできるし、私は自分自身を守れます。陛下のお力にもなれる」
「魔鉱石はないと、前に言っただろ」
ミーシャはリアムの手をぎゅっと握った。
「誓います。私は決して陛下を、グレシャー帝国を火の海に沈めない。陛下のためにしか使いません。だから、信じてください」