炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「私は、陛下の婚約者ですよ。全力で守ってください。私も全力であなたを守ります」
ミーシャはリアムに手を伸ばした。
親愛の気持ちをこめて、彼の頬に、触れるだけのキスを残す。
すぐ傍で、碧空を閉じ込めたような瞳が、やさしくミーシャを見つめていた。
――この瞳に映るのは、自分だけでいたい。
彼の心を、独り占めしたかった。
今まで知らなかった感情が次々に溢れてくる。リアムが愛しくて、親愛の気持ち以上のものが身を焦がしている。
ミーシャはそっと、リアムの背に自分の手を回した。抱きつかれるとは思っていなかったらしく、彼は一瞬、身体を強張らせたが、すぐに抱きしめ返してくれた。
彼の胸に顔を埋め、背に回した手に力をこめる。
リアムは囁くように、「ミーシャ」の名前を呼んだ。
とくとくと速い鼓動はどちらのものか、わからない。
大事な人と言葉を交わし、触れて、触れられる幸せで胸がいっぱいだった。
それを、クレアだった自分が感じて良いのかという罪の気持ちと戸惑いで頭の中が、ぐちゃぐちゃだ。
たしかなことは、この一時は、かけがえのないもの。絶対に、もう二度と、失いたくないということ。
――やっと、わかった。今さら、気づくなんて……。私は、なんて鈍感なんだろう。
月がきれいだったあの夜。
炎の鳥に導かれ森を抜けた先に、天空の星々のような碧い瞳と、髪が銀色に煌めく彼を見つけた。
リアムだとわかったあの瞬間、ミーシャは……恋に落ちていた。
ミーシャはリアムに手を伸ばした。
親愛の気持ちをこめて、彼の頬に、触れるだけのキスを残す。
すぐ傍で、碧空を閉じ込めたような瞳が、やさしくミーシャを見つめていた。
――この瞳に映るのは、自分だけでいたい。
彼の心を、独り占めしたかった。
今まで知らなかった感情が次々に溢れてくる。リアムが愛しくて、親愛の気持ち以上のものが身を焦がしている。
ミーシャはそっと、リアムの背に自分の手を回した。抱きつかれるとは思っていなかったらしく、彼は一瞬、身体を強張らせたが、すぐに抱きしめ返してくれた。
彼の胸に顔を埋め、背に回した手に力をこめる。
リアムは囁くように、「ミーシャ」の名前を呼んだ。
とくとくと速い鼓動はどちらのものか、わからない。
大事な人と言葉を交わし、触れて、触れられる幸せで胸がいっぱいだった。
それを、クレアだった自分が感じて良いのかという罪の気持ちと戸惑いで頭の中が、ぐちゃぐちゃだ。
たしかなことは、この一時は、かけがえのないもの。絶対に、もう二度と、失いたくないということ。
――やっと、わかった。今さら、気づくなんて……。私は、なんて鈍感なんだろう。
月がきれいだったあの夜。
炎の鳥に導かれ森を抜けた先に、天空の星々のような碧い瞳と、髪が銀色に煌めく彼を見つけた。
リアムだとわかったあの瞬間、ミーシャは……恋に落ちていた。