炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
恋は人を狂わせる
ミーシャと朝の散歩をすませたリアムは、少数精鋭で軍会議を開き、派兵の準備をすすめた。
いっぺんにすべては決まらず、午後は執務室にこもり、通常業務をこなした。
「陛下、今朝はミーシャさまと一緒でしたでしょう? 仲のいいようすを見かけたと、侍女たちが騒いでおりました」
書類の山を一つ片付けたところでジーンが話しかけてきた。
「そうか」
リアムは書類から視線をあげずに答えた。が、集中力が切れたジーンは矢継ぎ早に「実際にどうなんですか?」「まんざらでもないですよね?」「朝の散歩、日課にされては?」「気になって仕事がすすみませんー」と続けた。
さすがに気が散って、視線をあげた。
「答えたら仕事に集中するか?」
「はい、それはもちろん」
「最近、ミーシャから目が離せない」
リアムが書類を山に戻し、答えるとジーンは目を輝かせた。
「陛下。目が離せないとは具体的に?」
「ミーシャの仕草がいちいち愛しくて、彼女に触れていたくなる」
「へ、へ、へ、へい、陛下!」
「なんだ、その呼び方」
「それを、なんと言うか知っていますか『こ・い』です!」
ジーンは暑苦しい顔でリアムに近寄った。
「こい?」
「そうです」
リアムは顎に手を置いて、しばらく考えたあと口を開いた。
「わかった。あれだろ……今日は霧が、」
「濃い。違う!」
「では、結果がわかっていてわざとする行為のことだ」
「それは、故意ですね、それも違います!」
「ジーン、こっちに来い」
「御意。て、その来いでもありません! 誰かを好きになる『恋』です!」
ジーンはふざけるのもたいがいにしてください。と、目くじらを立てて言った。
少しからかいすぎたと、リアムは苦笑い浮かべながら席を立ち、窓の外を見た。
いっぺんにすべては決まらず、午後は執務室にこもり、通常業務をこなした。
「陛下、今朝はミーシャさまと一緒でしたでしょう? 仲のいいようすを見かけたと、侍女たちが騒いでおりました」
書類の山を一つ片付けたところでジーンが話しかけてきた。
「そうか」
リアムは書類から視線をあげずに答えた。が、集中力が切れたジーンは矢継ぎ早に「実際にどうなんですか?」「まんざらでもないですよね?」「朝の散歩、日課にされては?」「気になって仕事がすすみませんー」と続けた。
さすがに気が散って、視線をあげた。
「答えたら仕事に集中するか?」
「はい、それはもちろん」
「最近、ミーシャから目が離せない」
リアムが書類を山に戻し、答えるとジーンは目を輝かせた。
「陛下。目が離せないとは具体的に?」
「ミーシャの仕草がいちいち愛しくて、彼女に触れていたくなる」
「へ、へ、へ、へい、陛下!」
「なんだ、その呼び方」
「それを、なんと言うか知っていますか『こ・い』です!」
ジーンは暑苦しい顔でリアムに近寄った。
「こい?」
「そうです」
リアムは顎に手を置いて、しばらく考えたあと口を開いた。
「わかった。あれだろ……今日は霧が、」
「濃い。違う!」
「では、結果がわかっていてわざとする行為のことだ」
「それは、故意ですね、それも違います!」
「ジーン、こっちに来い」
「御意。て、その来いでもありません! 誰かを好きになる『恋』です!」
ジーンはふざけるのもたいがいにしてください。と、目くじらを立てて言った。
少しからかいすぎたと、リアムは苦笑い浮かべながら席を立ち、窓の外を見た。