炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「陛下。見て、星が見えないです」
「ああ。そうだね。雪雲、なくしてあげようか?」
「魔力の無駄使いは身体によくありませんよ」
ミーシャは首を横に振った。
「大丈夫。だけどもし身体が凍ったら、きみが温めて」
リアムは片手を空に向かってかざして仰ぎ見た。ミーシャも同じように空を見あげる。しばらくすると雪は止み、頭上にあった厚い雲が薄れ、晴れていく。
澄んだ空気の先で、夜空の星々が煌めいている。
「陛下、すごい。瞬く星がきれいです!」
「天に広がる星々の下にいるのは、俺とミーシャの二人だけだ」
リアムはミーシャの肩を掴むと、引き寄せた。後ろから抱きしめるようにして、彼の腕の中に閉じこめられた。
彼はミーシャの頭に頬をすり寄せると、耳元で囁いた。
「陛下じゃなくて、名前で呼んで」
驚いて息を飲みこんだ。心臓がとくとくと早鐘をならす。
下を向こうとすると、リアムの手がミーシャの顎に触れ、持ちあげた。
「命令。早く呼んで」
お互いの鼻が触れそうな距離と、美しく輝く碧い双眸に見つめられてくらくらする。魅入られて、頭はリアムでいっぱい埋め尽くされていく。
「リ……」
リアムと名を口にする前に、ミーシャの唇は、彼に塞がれてしまった。
「ああ。そうだね。雪雲、なくしてあげようか?」
「魔力の無駄使いは身体によくありませんよ」
ミーシャは首を横に振った。
「大丈夫。だけどもし身体が凍ったら、きみが温めて」
リアムは片手を空に向かってかざして仰ぎ見た。ミーシャも同じように空を見あげる。しばらくすると雪は止み、頭上にあった厚い雲が薄れ、晴れていく。
澄んだ空気の先で、夜空の星々が煌めいている。
「陛下、すごい。瞬く星がきれいです!」
「天に広がる星々の下にいるのは、俺とミーシャの二人だけだ」
リアムはミーシャの肩を掴むと、引き寄せた。後ろから抱きしめるようにして、彼の腕の中に閉じこめられた。
彼はミーシャの頭に頬をすり寄せると、耳元で囁いた。
「陛下じゃなくて、名前で呼んで」
驚いて息を飲みこんだ。心臓がとくとくと早鐘をならす。
下を向こうとすると、リアムの手がミーシャの顎に触れ、持ちあげた。
「命令。早く呼んで」
お互いの鼻が触れそうな距離と、美しく輝く碧い双眸に見つめられてくらくらする。魅入られて、頭はリアムでいっぱい埋め尽くされていく。
「リ……」
リアムと名を口にする前に、ミーシャの唇は、彼に塞がれてしまった。