炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「大丈夫。あなたは流されるような人じゃないって、ちゃんとわかっています」
にこりとほほえみながら、手を伸ばした。彼の冷たい頬を両手で包みこむ。
「出会ったあの夜、きみは、俺に幸せになれと言った」
ミーシャは、ゆっくりと頷いた。
「陛下……リアムには、誰よりも幸せになって欲しいです」
リアムはミーシャの手を掴むと頬からそっと離した。彼の大きな手の中に、大事そうに包みこまれた。
「正直、この感情に戸惑っている。今まで、自分の幸せなど見向きもしなかったから」
「私はずっと、自分は幸せになってはいけないと、思っていました」
「……俺も、同じことを思っていた」
目が合って、ふっと笑い合った。
「支えてくれたみんなや、リアムが教えてくれたんです。自分を犠牲にすることは間違っている。大切な人の犠牲の上に成り立つ幸せの影には、必ず、泣いている誰かがいる。私が幸せになれば、みんなも幸せになれるんだって」
エレノアや、ライリー、ユナやサシャ、そしてナタリーの顔が浮かんだ。
自分さえがまんすればいいと思っていた。だけどそれでは彼女たちを悲しませるだけ。
みんなを幸せにするには、まず、自分が幸せを掴むこと。
リアムはミーシャの手を強く握った。
「あの月の夜。森の中からきみは炎の鳥と共に現われた。敵に怯むことなく立ち向かい、会ったばかりの男を一生懸命看病してくれた。頬に煤をつけたミーシャは力強く、凜としていて、炎の煌めきのようにとても美しかった」
ミーシャは目を見開いた。まばたきを繰りかえしたあと、口を開いた。
「月がきれいだったあの夜。炎の鳥が私を、あなたのもとへ導いてくれました。あなたは、会ったばかりなのに、自分を犠牲にして私を守ろうとしてくれた。とてもかっこよかったです」
リアムを見つめてほほえむと、彼は目を細め、顔を近づけてきた。そっと、左の頬に触れるだけのキスをした。
「俺は、あのとき恋に落ちた。出会ってからずっと、ミーシャのことが好きだ」
嬉しくて、心が震えた。一度は抑えた愛しさが溢れて苦しい。気持ちが昂ぶって、涙で視界がにじむ。
にこりとほほえみながら、手を伸ばした。彼の冷たい頬を両手で包みこむ。
「出会ったあの夜、きみは、俺に幸せになれと言った」
ミーシャは、ゆっくりと頷いた。
「陛下……リアムには、誰よりも幸せになって欲しいです」
リアムはミーシャの手を掴むと頬からそっと離した。彼の大きな手の中に、大事そうに包みこまれた。
「正直、この感情に戸惑っている。今まで、自分の幸せなど見向きもしなかったから」
「私はずっと、自分は幸せになってはいけないと、思っていました」
「……俺も、同じことを思っていた」
目が合って、ふっと笑い合った。
「支えてくれたみんなや、リアムが教えてくれたんです。自分を犠牲にすることは間違っている。大切な人の犠牲の上に成り立つ幸せの影には、必ず、泣いている誰かがいる。私が幸せになれば、みんなも幸せになれるんだって」
エレノアや、ライリー、ユナやサシャ、そしてナタリーの顔が浮かんだ。
自分さえがまんすればいいと思っていた。だけどそれでは彼女たちを悲しませるだけ。
みんなを幸せにするには、まず、自分が幸せを掴むこと。
リアムはミーシャの手を強く握った。
「あの月の夜。森の中からきみは炎の鳥と共に現われた。敵に怯むことなく立ち向かい、会ったばかりの男を一生懸命看病してくれた。頬に煤をつけたミーシャは力強く、凜としていて、炎の煌めきのようにとても美しかった」
ミーシャは目を見開いた。まばたきを繰りかえしたあと、口を開いた。
「月がきれいだったあの夜。炎の鳥が私を、あなたのもとへ導いてくれました。あなたは、会ったばかりなのに、自分を犠牲にして私を守ろうとしてくれた。とてもかっこよかったです」
リアムを見つめてほほえむと、彼は目を細め、顔を近づけてきた。そっと、左の頬に触れるだけのキスをした。
「俺は、あのとき恋に落ちた。出会ってからずっと、ミーシャのことが好きだ」
嬉しくて、心が震えた。一度は抑えた愛しさが溢れて苦しい。気持ちが昂ぶって、涙で視界がにじむ。