炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
しかも自分で焼いて短くなっていた部分も、元の長さに戻っている。ミーシャは鏡に映る自分を見つめたまま、固まった。
「……どうしよう。どうしよう?」
部屋の中をおろおろしていると、白狼が早くしろと吠えた。
「そ、そうね。今はとりあえず、二人を追いかけなくちゃ。……この格好で?」
それはとても事態を悪くする気がした。とりあえず気休めで、「よし」といいながらフードを被る。
「ち、力も、戻っていたりしないかなー。なんてね……」
軽い気持ちで手をかざすと、思いっきり炎柱が発生した。あわてて火を消す。
氷の壁を溶かしたばかりであたりが濡れていたおかげで、絨毯を少し焦がしただけですんだ。ほっと胸をなでおろす。
「魔力も、戻ってるのね……」
見た目だけじゃなく、魔力もクレアと同等量あり、扱うこともできるようだった。
「炎の鳥。おいで」
試しにミーシャが呼ぶと、目の前に自分と同じ大きさの炎の鳥があらわれた。
「これは、もう、間違いないわね」
ミーシャは待ちくたびれてどっか行ってしまった白狼を追いかけ、バルコニーに出た。炎の鳥をもっと大きくして、その背にミーシャは乗った。
「お願い。リアムのもとへ連れて行って」
炎の精霊獣は、朱く燃える大きな翼を広げると、空に向かって力強く飛び立った。
*
ミーシャを乗せた炎の鳥は、闇を切り裂き進んでいく。ときどき粉雪が顔にあたるが関係ない。
風を心地よく感じながら、首からさげている魔鉱石を握った。
「皮肉なものね。リアムを守るために作った魔鉱石が、結果、私に力を与えてくれている」
急に炎の鳥が滑空しだした。もう、リアムたちに追いついたらしい。
そこは青白く発光する流氷の結界のそばで、オリバーを追いこんだリアムが、今まさにとどめを刺そうとしている瞬間だった。
ミーシャが上空にいると思ってもいないのだろう。こっちにまったく気づくようすはない。
――とめなくちゃ!
炎の鳥を操り急降下すると、ふわりと、二人の前に降り立った。
「……どうしよう。どうしよう?」
部屋の中をおろおろしていると、白狼が早くしろと吠えた。
「そ、そうね。今はとりあえず、二人を追いかけなくちゃ。……この格好で?」
それはとても事態を悪くする気がした。とりあえず気休めで、「よし」といいながらフードを被る。
「ち、力も、戻っていたりしないかなー。なんてね……」
軽い気持ちで手をかざすと、思いっきり炎柱が発生した。あわてて火を消す。
氷の壁を溶かしたばかりであたりが濡れていたおかげで、絨毯を少し焦がしただけですんだ。ほっと胸をなでおろす。
「魔力も、戻ってるのね……」
見た目だけじゃなく、魔力もクレアと同等量あり、扱うこともできるようだった。
「炎の鳥。おいで」
試しにミーシャが呼ぶと、目の前に自分と同じ大きさの炎の鳥があらわれた。
「これは、もう、間違いないわね」
ミーシャは待ちくたびれてどっか行ってしまった白狼を追いかけ、バルコニーに出た。炎の鳥をもっと大きくして、その背にミーシャは乗った。
「お願い。リアムのもとへ連れて行って」
炎の精霊獣は、朱く燃える大きな翼を広げると、空に向かって力強く飛び立った。
*
ミーシャを乗せた炎の鳥は、闇を切り裂き進んでいく。ときどき粉雪が顔にあたるが関係ない。
風を心地よく感じながら、首からさげている魔鉱石を握った。
「皮肉なものね。リアムを守るために作った魔鉱石が、結果、私に力を与えてくれている」
急に炎の鳥が滑空しだした。もう、リアムたちに追いついたらしい。
そこは青白く発光する流氷の結界のそばで、オリバーを追いこんだリアムが、今まさにとどめを刺そうとしている瞬間だった。
ミーシャが上空にいると思ってもいないのだろう。こっちにまったく気づくようすはない。
――とめなくちゃ!
炎の鳥を操り急降下すると、ふわりと、二人の前に降り立った。