炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「もう、魔力はないし、師匠でもない。炎の鳥を魔鉱石に宿せたし、凍化の進行もとりあえず防げる。これで私の役目は終わり。だけど……」
気持ちがこみあげてきて、涙が視界を塞ぐ。言葉を続けられなくて一度、深呼吸した。
「ミーシャ。だけど、の続きは?」
「ちょっと、待って……」
彼が愛しくて。あふれ出してくる感情に溺れてしまいそうだ。苦しくて、何度も深い呼吸を繰りかえす。すると、リアムがミーシャの手を握った。
「俺が代わりに言う。ミーシャ、帰らないで。……ずっと、俺の傍にいて」
心が震えた。
リアムも自分と同じように、求めてくれている。必要とされているのが嬉しくて、胸が熱い。
「……リアムの、傍にいたい」
涙がぽろぽろと頬を伝え落ちる。
「私はリアムと一緒に、幸せになる未来を、掴み取りたい……!」
リアムは、ミーシャに口づけをした。
キスのあいまに覗く熱い眼差しに、胸の奥が疼く。ぎゅっと抱きしめる腕は大きくて、簡単にその胸に包みこまれる。
彼は、幼い弟子なんかじゃない。一人の男性として惹かれる。リアムを支えたいと強く思った。
東の空に太陽が姿をあらわしはじめていた。間もなく夜が明ける。と思った次の瞬間、流氷の結界が強く発光しはじめた。
「すぐそこまで、カルディア兵が来たようだ」
ミーシャに緊張が走った。すると、リアムが肩を抱きしめてくれた。
「大丈夫。俺がついている」
――本当に、立派で、頼りがいのある人になった。
不安を拭おうとしているリアムの誠実さと強さに惚れなおしながらも、励まされてばかりでどうする、しっかりしろと自分を叱った。
「リアムにも私がついている。ひとまずここから離れましょう」
「そうだな。とりあえず魔鉱石は、ミーシャが持っていて」
「え。でも……」
「そのほうが戦力になる。この場を早く切り抜けた……あれ、ミーシャ。これちょっとおかしくないか?」
リアムは目を見張りながらミーシャに魔鉱石を見せてきた。
太陽の光に照らされた涙型の魔鉱石は、確かにさっきまで炎のように真っ赤だった。それが今――
「魔鉱石の色が変わってる。碧く、輝いている……!」
リアムの透き通った瞳の色のように、美しい碧い光を放っていた。
気持ちがこみあげてきて、涙が視界を塞ぐ。言葉を続けられなくて一度、深呼吸した。
「ミーシャ。だけど、の続きは?」
「ちょっと、待って……」
彼が愛しくて。あふれ出してくる感情に溺れてしまいそうだ。苦しくて、何度も深い呼吸を繰りかえす。すると、リアムがミーシャの手を握った。
「俺が代わりに言う。ミーシャ、帰らないで。……ずっと、俺の傍にいて」
心が震えた。
リアムも自分と同じように、求めてくれている。必要とされているのが嬉しくて、胸が熱い。
「……リアムの、傍にいたい」
涙がぽろぽろと頬を伝え落ちる。
「私はリアムと一緒に、幸せになる未来を、掴み取りたい……!」
リアムは、ミーシャに口づけをした。
キスのあいまに覗く熱い眼差しに、胸の奥が疼く。ぎゅっと抱きしめる腕は大きくて、簡単にその胸に包みこまれる。
彼は、幼い弟子なんかじゃない。一人の男性として惹かれる。リアムを支えたいと強く思った。
東の空に太陽が姿をあらわしはじめていた。間もなく夜が明ける。と思った次の瞬間、流氷の結界が強く発光しはじめた。
「すぐそこまで、カルディア兵が来たようだ」
ミーシャに緊張が走った。すると、リアムが肩を抱きしめてくれた。
「大丈夫。俺がついている」
――本当に、立派で、頼りがいのある人になった。
不安を拭おうとしているリアムの誠実さと強さに惚れなおしながらも、励まされてばかりでどうする、しっかりしろと自分を叱った。
「リアムにも私がついている。ひとまずここから離れましょう」
「そうだな。とりあえず魔鉱石は、ミーシャが持っていて」
「え。でも……」
「そのほうが戦力になる。この場を早く切り抜けた……あれ、ミーシャ。これちょっとおかしくないか?」
リアムは目を見張りながらミーシャに魔鉱石を見せてきた。
太陽の光に照らされた涙型の魔鉱石は、確かにさっきまで炎のように真っ赤だった。それが今――
「魔鉱石の色が変わってる。碧く、輝いている……!」
リアムの透き通った瞳の色のように、美しい碧い光を放っていた。