炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
リアムと一時避難
*ミーシャ*
流氷が強く発光するのは、帝国に対して敵意ある者が川を渡ろうとしているからだ。
「明るくなると同時に、進軍の速度をあげたようだ。ここを離れよう」
ミーシャが頷くと、リアムは魔鉱石を手に持ったまま歩きだした。
白狼がとことこと、傍に寄ってくる。周りを警戒しながら氷の宮殿に向かって徒歩で移動しつつ、リアムはあらためて訊いてきた。
「ミーシャ。魔鉱石が碧い輝きに変わった理由は、なんだと思う?」
リアムの問いにミーシャは顎に手を置いて考えた。
「宝石は、色んな環境や要因で形成されます。混ざっているもの、どれだけの時間どれだけの圧力がかかり、高温にさらされたかで、できる物が変わる。私がクレアだったころは、そこに自分の魔力と、炎の鳥を長く加えることで魔鉱石を作りあげました」
「それがこれ、クレアの魔鉱石か」
ミーシャは頷いた。
「一つ、考えられることがあるとすれば、雪と氷の精霊獣。長い間、魔鉱石は精霊獣に持たせていたんですよね?」
視線を向けると、リアムは白狼の頭を撫でながら頷いた。
「白狼に預けるのが一番安全だと思った。触れられる者は王族か魔女くらいだからだ。ちなみに、白狼に持たせていたことを知るのはジーンだけだ」
「オリバーさまに知られていたら、奪われていたかもしれませんね」
「白狼は気高い。王族だからと誰にでもしっぽを振るわけじゃないが、奪われていた危険はあったな。それで、精霊獣がどうした?」
説明の続きを促され、ミーシャは口を開いた。
「白狼が長く持つことで、新たな変化が加わったんじゃないかなと思います」
「加わったとして、どうなる。効果は?」
「わかりません。これから検証ですね」
「色が変わるタイミングは?」
「色については、一つ思い当たることがあります」
「それはなんだ」
「ブルー・ガーネットです」
歩きながらリアムはミーシャを見て、「ガーネットの色は赤系だろ?」と聞いた。
流氷が強く発光するのは、帝国に対して敵意ある者が川を渡ろうとしているからだ。
「明るくなると同時に、進軍の速度をあげたようだ。ここを離れよう」
ミーシャが頷くと、リアムは魔鉱石を手に持ったまま歩きだした。
白狼がとことこと、傍に寄ってくる。周りを警戒しながら氷の宮殿に向かって徒歩で移動しつつ、リアムはあらためて訊いてきた。
「ミーシャ。魔鉱石が碧い輝きに変わった理由は、なんだと思う?」
リアムの問いにミーシャは顎に手を置いて考えた。
「宝石は、色んな環境や要因で形成されます。混ざっているもの、どれだけの時間どれだけの圧力がかかり、高温にさらされたかで、できる物が変わる。私がクレアだったころは、そこに自分の魔力と、炎の鳥を長く加えることで魔鉱石を作りあげました」
「それがこれ、クレアの魔鉱石か」
ミーシャは頷いた。
「一つ、考えられることがあるとすれば、雪と氷の精霊獣。長い間、魔鉱石は精霊獣に持たせていたんですよね?」
視線を向けると、リアムは白狼の頭を撫でながら頷いた。
「白狼に預けるのが一番安全だと思った。触れられる者は王族か魔女くらいだからだ。ちなみに、白狼に持たせていたことを知るのはジーンだけだ」
「オリバーさまに知られていたら、奪われていたかもしれませんね」
「白狼は気高い。王族だからと誰にでもしっぽを振るわけじゃないが、奪われていた危険はあったな。それで、精霊獣がどうした?」
説明の続きを促され、ミーシャは口を開いた。
「白狼が長く持つことで、新たな変化が加わったんじゃないかなと思います」
「加わったとして、どうなる。効果は?」
「わかりません。これから検証ですね」
「色が変わるタイミングは?」
「色については、一つ思い当たることがあります」
「それはなんだ」
「ブルー・ガーネットです」
歩きながらリアムはミーシャを見て、「ガーネットの色は赤系だろ?」と聞いた。