炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「同じ宝石でも、色によって呼び名が変わるのをリアムも知っていますよね? ブルーガーネットもガーネットの一種です」
ミーシャは足を止めると振りかえり、太陽を指さした。
「まれに『光』が当たると、色を変える宝石があります。ガーネットの魔鉱石がリアムの手にある状態で、陽に照らされたことで、変化したように感じました」
リアムは自分の手にある魔鉱石を眺めた。
「朱いガーネットだったクレア魔鉱石に、白狼と俺が長時間触れることで、魔力を加えてしまった。そして光が当たることで、ブルーガットの魔鉱石に性質変化した。ということか」
ミーシャは頷いた。
「憶測ですが、この魔鉱石なら炎の魔力だけじゃなく、リアムの、氷の魔力も魔鉱石に取りこむことができるかもしれません。リアム魔鉱石の誕生ですね」
「……クレア師匠が、作りたくて作れなかった物か」
リアムは切なそうにミーシャを見た。
氷の魔力を他に移す。それが、魔鉱石の原点だ。クレアだったころずっと研究して、達成できなかったものが今、彼の手にある。
「試しに魔力を込めてみ、」
「だめです。もう、リアムは魔力を使ってはだめ」
「白狼に魔力をわけても、」
「だめです」
「……少しだけ」
「だめ!……怒りますよ?」
ミーシャは、背の高い彼を下から睨んだ。
「カルディア兵が近くまで来ているんですよね? 魔鉱石を試す余裕はありません。魔力を込められなくて無駄にしたらどうするの」
「……なんか、懐かしいな。クレア師匠に怒られているみたいだ」
リアムは小さく笑うと、突然ミーシャに近づき、朱鷺色の髪に触れて、口づけをした。
「元に戻ってよかった」
――嬉しいような照れくさいような……。
至近距離で目が合って、心臓が跳ねる。恥ずかしさから顔を逸らした。
「説明はこのくらいにしましょう。急がないと」
「そのようだな。ミーシャ、隠れよう」
「……隠れる?」
リアムは頷くと自分たちより背が高い、大きな雪の塊をいくつか作りだした。
ミーシャは足を止めると振りかえり、太陽を指さした。
「まれに『光』が当たると、色を変える宝石があります。ガーネットの魔鉱石がリアムの手にある状態で、陽に照らされたことで、変化したように感じました」
リアムは自分の手にある魔鉱石を眺めた。
「朱いガーネットだったクレア魔鉱石に、白狼と俺が長時間触れることで、魔力を加えてしまった。そして光が当たることで、ブルーガットの魔鉱石に性質変化した。ということか」
ミーシャは頷いた。
「憶測ですが、この魔鉱石なら炎の魔力だけじゃなく、リアムの、氷の魔力も魔鉱石に取りこむことができるかもしれません。リアム魔鉱石の誕生ですね」
「……クレア師匠が、作りたくて作れなかった物か」
リアムは切なそうにミーシャを見た。
氷の魔力を他に移す。それが、魔鉱石の原点だ。クレアだったころずっと研究して、達成できなかったものが今、彼の手にある。
「試しに魔力を込めてみ、」
「だめです。もう、リアムは魔力を使ってはだめ」
「白狼に魔力をわけても、」
「だめです」
「……少しだけ」
「だめ!……怒りますよ?」
ミーシャは、背の高い彼を下から睨んだ。
「カルディア兵が近くまで来ているんですよね? 魔鉱石を試す余裕はありません。魔力を込められなくて無駄にしたらどうするの」
「……なんか、懐かしいな。クレア師匠に怒られているみたいだ」
リアムは小さく笑うと、突然ミーシャに近づき、朱鷺色の髪に触れて、口づけをした。
「元に戻ってよかった」
――嬉しいような照れくさいような……。
至近距離で目が合って、心臓が跳ねる。恥ずかしさから顔を逸らした。
「説明はこのくらいにしましょう。急がないと」
「そのようだな。ミーシャ、隠れよう」
「……隠れる?」
リアムは頷くと自分たちより背が高い、大きな雪の塊をいくつか作りだした。