炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
ミーシャは深刻な顔で思案するとリアムを見た。
「炎の鳥は『復活』を司る精霊獣なのは間違いないわ。だけど、死者を蘇らせることができるとは、教わっていない」
リアムは「そうか」と答えた。
「フルラ王は、『どのようなことがあっても、人は蘇ったりしない』と言っていたらしい」
「オリバー大公の奥さまは復活せずに消えたのね?」
「ああ。オリバーを包みこむように煌めきながら消えた」
ミーシャはリアムの手から離れるとゆっくりと立ちあがり、瓦礫と氷で覆われている周りをあらためて見回した。
「リアム。オリバー大公は本当に瓦礫の下敷きになって、亡くなられたの?」
「普通の人間ならそうだろうな。だが、あいつのことだ、きっと生きている」
リアムにはそう思う理由があった。
「この下は排水用の空間のはずだ。溶けた氷と水が流れている。オリバーはおそらく、外へ排出されたはずだ」
「つまり流された? それでも生きているということ?」
リアムは頷いた。
「やつは、冷の環境で死ぬことはない」
「生きているのなら、助けないと」
ミーシャは手をあげると、炎の鳥を呼んだ。
「オリバーさまと、洪水の被害をなんとかしなくちゃ」
「ミーシャ、本当に身体は大丈夫か? 無理はするな」
リアムはミーシャの腰を持ち、引き寄せた。彼女の体温が離れると不安で落ち着かない。
ミーシャは眉尻をさげながら「心配してくれてありがとう」と笑った。
「私が復活した理由と、クレアさまがどうなったのかをちゃんと、お伝えしたい。だから、リアム、手伝って」
リアムはその問いに、小さく笑った。
――さっきまで死んでいたのに。自分を殺した相手をもう、心配している。
「きみは、何度生まれ変わっても、変わりそうにないね」
真剣な顔だった彼女の表情がやっとゆるむ。
「きみの願いならなんでも、叶えてやる」
こめかみにキスを落とすと、ミーシャの頬に赤みがさした。
「炎の鳥は『復活』を司る精霊獣なのは間違いないわ。だけど、死者を蘇らせることができるとは、教わっていない」
リアムは「そうか」と答えた。
「フルラ王は、『どのようなことがあっても、人は蘇ったりしない』と言っていたらしい」
「オリバー大公の奥さまは復活せずに消えたのね?」
「ああ。オリバーを包みこむように煌めきながら消えた」
ミーシャはリアムの手から離れるとゆっくりと立ちあがり、瓦礫と氷で覆われている周りをあらためて見回した。
「リアム。オリバー大公は本当に瓦礫の下敷きになって、亡くなられたの?」
「普通の人間ならそうだろうな。だが、あいつのことだ、きっと生きている」
リアムにはそう思う理由があった。
「この下は排水用の空間のはずだ。溶けた氷と水が流れている。オリバーはおそらく、外へ排出されたはずだ」
「つまり流された? それでも生きているということ?」
リアムは頷いた。
「やつは、冷の環境で死ぬことはない」
「生きているのなら、助けないと」
ミーシャは手をあげると、炎の鳥を呼んだ。
「オリバーさまと、洪水の被害をなんとかしなくちゃ」
「ミーシャ、本当に身体は大丈夫か? 無理はするな」
リアムはミーシャの腰を持ち、引き寄せた。彼女の体温が離れると不安で落ち着かない。
ミーシャは眉尻をさげながら「心配してくれてありがとう」と笑った。
「私が復活した理由と、クレアさまがどうなったのかをちゃんと、お伝えしたい。だから、リアム、手伝って」
リアムはその問いに、小さく笑った。
――さっきまで死んでいたのに。自分を殺した相手をもう、心配している。
「きみは、何度生まれ変わっても、変わりそうにないね」
真剣な顔だった彼女の表情がやっとゆるむ。
「きみの願いならなんでも、叶えてやる」
こめかみにキスを落とすと、ミーシャの頬に赤みがさした。