炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
流氷の結界と氷の狼
「状況は?」
「カルディア兵は捕縛完了。ビアンカ皇妃の説得に多数が降伏してくれました」
リアムはジーンに向かって「よくやった」と答えた。
「イライジャさま! 帝都の人や結界に近い人の避難はすみましたか?」
ミーシャはオリバーを治療しながらイライジャに質問した。
「はい。ミーシャさまの指示で、帝都民はほぼ避難を完了させています」
「イライジャ、おまえの任務はカルディア兵の捕縛と、ミーシャの護衛だろ」
リアムの質問にイライジャは敬礼をしてから答えた。
「万が一、氷の宮殿が崩壊した場合、洪水が起こる。そして、一番最初の被害は帝都だから都民を優先して避難させろというミーシャさまの意見を尊重しました」
「騎士団の方々が、がんばってくれたんですね?」
ミーシャの言葉にイライジャは力強く頷いた。
「では、帝都には逃げ遅れた者がいないか確かめる。それと、帝都にたまった水をどうにかしてふたたび住める都にしないといけないな」
帝都の城壁は厚い。水を堰き止めているはずだ。
イライジャは心配そうに、オリバーを見た。
「陛下、オリバー大公殿下は……」
「よくない。だが、絶対に死なせない。イライジャ、止血がすんだあと引き続き応急処置を任せる」
「御意のままに」
「……オリバー大公殿下、本当に生きていたんですね。なんか、我が父よりもぼろぼろですけど」
先日まで病で危篤だったジーンの父親はオリバーの親友だ。ジーンは感慨深そうに「陛下がぼこぼこにしたんですか?」と聞いてきたがリアムは、その問いは無視した。
「ジーン、戻ってきたばかりですまないが、氷の宮殿がめちゃくちゃだ。混乱したままにしてきたから、対応を任せて良いか?」
「御意」
「ノアのようすも見ておいてくれ。安全な場所にいるはずだから」
「諸々承知しました。陛下、さっそく取りかかるので、失礼します」
リアムはジーンがさがると、オリバーの治療をイライジャに交代し、手が空いたミーシャを呼び寄せた。
「カルディア兵は捕縛完了。ビアンカ皇妃の説得に多数が降伏してくれました」
リアムはジーンに向かって「よくやった」と答えた。
「イライジャさま! 帝都の人や結界に近い人の避難はすみましたか?」
ミーシャはオリバーを治療しながらイライジャに質問した。
「はい。ミーシャさまの指示で、帝都民はほぼ避難を完了させています」
「イライジャ、おまえの任務はカルディア兵の捕縛と、ミーシャの護衛だろ」
リアムの質問にイライジャは敬礼をしてから答えた。
「万が一、氷の宮殿が崩壊した場合、洪水が起こる。そして、一番最初の被害は帝都だから都民を優先して避難させろというミーシャさまの意見を尊重しました」
「騎士団の方々が、がんばってくれたんですね?」
ミーシャの言葉にイライジャは力強く頷いた。
「では、帝都には逃げ遅れた者がいないか確かめる。それと、帝都にたまった水をどうにかしてふたたび住める都にしないといけないな」
帝都の城壁は厚い。水を堰き止めているはずだ。
イライジャは心配そうに、オリバーを見た。
「陛下、オリバー大公殿下は……」
「よくない。だが、絶対に死なせない。イライジャ、止血がすんだあと引き続き応急処置を任せる」
「御意のままに」
「……オリバー大公殿下、本当に生きていたんですね。なんか、我が父よりもぼろぼろですけど」
先日まで病で危篤だったジーンの父親はオリバーの親友だ。ジーンは感慨深そうに「陛下がぼこぼこにしたんですか?」と聞いてきたがリアムは、その問いは無視した。
「ジーン、戻ってきたばかりですまないが、氷の宮殿がめちゃくちゃだ。混乱したままにしてきたから、対応を任せて良いか?」
「御意」
「ノアのようすも見ておいてくれ。安全な場所にいるはずだから」
「諸々承知しました。陛下、さっそく取りかかるので、失礼します」
リアムはジーンがさがると、オリバーの治療をイライジャに交代し、手が空いたミーシャを呼び寄せた。