炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「私との婚約が進めば、宰相さまも喜ばれるでしょう。断られる前提で手紙を送る必要もなくなる。陛下は完治したあと、本当のお妃さまをお迎えください」
「嫁を迎えろとうるさい臣下たちは、ひとまずは黙るだろうな。だが、病が治らなければ……、」
「大丈夫です。陛下の病はこの私が必ず治してみせます」
ミーシャは笑顔を浮かべ、自分の胸を叩いてみせた。
「令嬢は……頑固だな」
「お言葉ですが、陛下も相当頑固かと」
リアムは飽きれたようすで、ふうっと息を逃した。
「きみの覚悟はよくわかった。きみの提案を受けて、契約を締結しよう」
「ありがとうございます。では、さっそく……、」
「ただし、条件が二つある」
「……二つも? なんでしょうか?」
どんな条件を出されるのかと、緊張しながらリアムを見つめた。
彼は人差し指を立てると、口を開いた。
「契約期間、つまり治療期間は、来年の春の祭りまで」
「白い結婚の期間ということですね?」
リアムは頷いた。
王族の結婚は慎重におこなわれる。万が一離婚となれば国家間のトラブルの元になるからだ。それを避けるために約半年、仮初めの夫婦として一緒に過ごす。
「期間はわかりました。もう一つは?」
リアムは真剣な眼差しを向けながら言った。
「魔女の評判を良くしたい。それを手伝うのが二つ目の条件だ」
ミーシャは目を見開いた。
「フルラとグレシャー国では、魔女は怖い存在、悪い者となっている。そのことについては貴女も思うところがあるだろう。少しでいい。魔女の印象が良くなるように協力して欲しい」
魔女の印象は昔から悪く、クレアが魔鉱石を作ったことで地に落ちた。
リアムが今もクレアの墓参りを続けるのには、師匠である魔女を今でも慕っていると公にするため。彼女の名誉を回復したいからだ。
「嫁を迎えろとうるさい臣下たちは、ひとまずは黙るだろうな。だが、病が治らなければ……、」
「大丈夫です。陛下の病はこの私が必ず治してみせます」
ミーシャは笑顔を浮かべ、自分の胸を叩いてみせた。
「令嬢は……頑固だな」
「お言葉ですが、陛下も相当頑固かと」
リアムは飽きれたようすで、ふうっと息を逃した。
「きみの覚悟はよくわかった。きみの提案を受けて、契約を締結しよう」
「ありがとうございます。では、さっそく……、」
「ただし、条件が二つある」
「……二つも? なんでしょうか?」
どんな条件を出されるのかと、緊張しながらリアムを見つめた。
彼は人差し指を立てると、口を開いた。
「契約期間、つまり治療期間は、来年の春の祭りまで」
「白い結婚の期間ということですね?」
リアムは頷いた。
王族の結婚は慎重におこなわれる。万が一離婚となれば国家間のトラブルの元になるからだ。それを避けるために約半年、仮初めの夫婦として一緒に過ごす。
「期間はわかりました。もう一つは?」
リアムは真剣な眼差しを向けながら言った。
「魔女の評判を良くしたい。それを手伝うのが二つ目の条件だ」
ミーシャは目を見開いた。
「フルラとグレシャー国では、魔女は怖い存在、悪い者となっている。そのことについては貴女も思うところがあるだろう。少しでいい。魔女の印象が良くなるように協力して欲しい」
魔女の印象は昔から悪く、クレアが魔鉱石を作ったことで地に落ちた。
リアムが今もクレアの墓参りを続けるのには、師匠である魔女を今でも慕っていると公にするため。彼女の名誉を回復したいからだ。