炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
新しい皇女
*
氷の宮殿の外に出ると、青い空の下、花びらのように雪が舞っていた。
侍従たちは作業の手を止めて、ミーシャとリアムを見送るために、整列して待っている。
たくさんの侍女たちの中に、ユナとサシャを見つけた。
「リアム、二人にあいさつをしてきてもいい?」
「いいよ。行っておいで。俺も準備をしてくる」
リアムの傍を離れ、二人の元へ向かった。
「ミーシャさま。お荷物の準備は整っております。どうか、お気をつけて」
「無事のお帰りを、心よりお祈りしております」
ミーシャはユナとサシャの手を取った。
「ありがとう。留守をお願いしますね」と伝えると、二人は深く頭をさげた。
最近侍女が増えたミーシャは、新人たちにもあいさつされて、一人一人に声をかける。
「旅は十日間の日程らしいですわね。婚前旅行なのでしょう? もっとフルラ国にごゆっくりしていらしたら?」
「ナタリーさま?」
見送りにはナタリーも来てくれていて、ミーシャは驚いたが嬉しかった。
「我が家には貴族だけじゃなく、商人も出入りするの。街は今、あなたが人々を救ったという噂で持ちきりよ。魔女『ミーシャ』はやさしいだけじゃなく、美人で魅惑的。妖艶で可憐だとか……」
ミーシャが魔女クレアの生まれ変わりだということは、世間一般には知られていない。氷の宮殿に使える侍従たちも知らない者がほとんどだ。知るのはナタリーやライリー、リアムの重臣たちのごく一部だけ。
みんな、《魔女ミーシャ》を認め、慕っている。
「ミーシャさま。凍っていた陛下の氷を溶かしていただき、ありがとうございました。どうか、幸せになってくださいね」
「こら! なんでここに、ナタリーがいる!」
「あらいやだ。空気が読めないお邪魔虫が来たわ」
ミーシャたちに近寄ってきたのはジーンとミーシャの侍女、ライリーだった。
氷の宮殿の外に出ると、青い空の下、花びらのように雪が舞っていた。
侍従たちは作業の手を止めて、ミーシャとリアムを見送るために、整列して待っている。
たくさんの侍女たちの中に、ユナとサシャを見つけた。
「リアム、二人にあいさつをしてきてもいい?」
「いいよ。行っておいで。俺も準備をしてくる」
リアムの傍を離れ、二人の元へ向かった。
「ミーシャさま。お荷物の準備は整っております。どうか、お気をつけて」
「無事のお帰りを、心よりお祈りしております」
ミーシャはユナとサシャの手を取った。
「ありがとう。留守をお願いしますね」と伝えると、二人は深く頭をさげた。
最近侍女が増えたミーシャは、新人たちにもあいさつされて、一人一人に声をかける。
「旅は十日間の日程らしいですわね。婚前旅行なのでしょう? もっとフルラ国にごゆっくりしていらしたら?」
「ナタリーさま?」
見送りにはナタリーも来てくれていて、ミーシャは驚いたが嬉しかった。
「我が家には貴族だけじゃなく、商人も出入りするの。街は今、あなたが人々を救ったという噂で持ちきりよ。魔女『ミーシャ』はやさしいだけじゃなく、美人で魅惑的。妖艶で可憐だとか……」
ミーシャが魔女クレアの生まれ変わりだということは、世間一般には知られていない。氷の宮殿に使える侍従たちも知らない者がほとんどだ。知るのはナタリーやライリー、リアムの重臣たちのごく一部だけ。
みんな、《魔女ミーシャ》を認め、慕っている。
「ミーシャさま。凍っていた陛下の氷を溶かしていただき、ありがとうございました。どうか、幸せになってくださいね」
「こら! なんでここに、ナタリーがいる!」
「あらいやだ。空気が読めないお邪魔虫が来たわ」
ミーシャたちに近寄ってきたのはジーンとミーシャの侍女、ライリーだった。