炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「あなたと違って私は陛下と毎年会っていたわ。けれど、身体に影響が出ていることにまったく気づけなかった。突然発症したのか、ずっと隠していたのかはわからないけれど。しかも、陛下が命を狙われるなんて、思ってもみなかったわ」

 エレノアの顔には、後悔と哀しみが浮かんでいた。彼女の手がミーシャの頬に触れる。

「あなたにも、怪我がなくて本当によかった」
「私は、大丈夫です」

 ――刺客に体当たりしようとしたことは黙っておこう。余計な心配はかけたくない。

「ところでミーシャ、陛下を襲った男たちが目を覚ましたの。目的がわかったわよ」

 エレノアに詰め寄った。

「刺客の目的は陛下の命では? 黒幕が誰かわかったの?」 


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