炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「もったいないお言葉、とても光栄です。私はどこまでもミーシャさまについて行きます!」
「ありがとう。頼りにしています」
ライリーは幼少期から傍にいる、姉のような存在だった。しっかり者でミーシャがクレアの生まれ変わりだということも知っている、唯一の理解者だ。
「ライリー。フルラ国を離れるのは『白い結婚』の半年間だけです。陛下の病が完治したら、約束どおり婚約を破棄してもらう。だから大丈夫。すぐに帰れるから、心配しないで」
彼女は頷くと「精一杯がんばります」と言って、深く頭をさげた。
帝都クロフドは、グレシャー帝国の要塞都市だ。高い城壁で守られている。
クロフォード王家の家紋入り馬車は、城門の警備兵に停められることなく、そのまま通された。
「ライリー見て。帝都の真ん中にも、流氷の結界が発動した川が流れてる。きれいね」
「きれいだからって、近づいたらだめですよ。ガーネット邸とは違うのです。勝手に抜け出さないでくださいね」
ライリーは小言が多い、いつもの調子に戻った。侍女のようすにほっとしながら、「はいはい」と軽く答え、ほほえんだ。
街は、陛下の婚約を祝う垂れまくや、のぼり旗ではなやかに飾られていた。しかし、どこにもミーシャの名はない。
両国は何十年も戦争をしていたし、悪魔女は歓迎されないのはわかっていたこと。ミーシャは姿を見られないように、窓から離れた。
除雪された道をしばらく進み、丘の上の大きな『氷の宮殿』に着いた。
屋根も壁も、朝陽に照らされた雲のように白く輝いている。あまりの美しさに、うっとりと見入った。
「ミーシャ・ガーネットさま。ようこそお越しくださいました」
宮殿の前にいたのは、陛下の宰相で側近、ジーン・アルベルトだ。にこやかに出迎えてくれて、ミーシャも笑みを返す。
「宰相さま。たくさんのお心づかい、ありがとうございます」
「ありがとう。頼りにしています」
ライリーは幼少期から傍にいる、姉のような存在だった。しっかり者でミーシャがクレアの生まれ変わりだということも知っている、唯一の理解者だ。
「ライリー。フルラ国を離れるのは『白い結婚』の半年間だけです。陛下の病が完治したら、約束どおり婚約を破棄してもらう。だから大丈夫。すぐに帰れるから、心配しないで」
彼女は頷くと「精一杯がんばります」と言って、深く頭をさげた。
帝都クロフドは、グレシャー帝国の要塞都市だ。高い城壁で守られている。
クロフォード王家の家紋入り馬車は、城門の警備兵に停められることなく、そのまま通された。
「ライリー見て。帝都の真ん中にも、流氷の結界が発動した川が流れてる。きれいね」
「きれいだからって、近づいたらだめですよ。ガーネット邸とは違うのです。勝手に抜け出さないでくださいね」
ライリーは小言が多い、いつもの調子に戻った。侍女のようすにほっとしながら、「はいはい」と軽く答え、ほほえんだ。
街は、陛下の婚約を祝う垂れまくや、のぼり旗ではなやかに飾られていた。しかし、どこにもミーシャの名はない。
両国は何十年も戦争をしていたし、悪魔女は歓迎されないのはわかっていたこと。ミーシャは姿を見られないように、窓から離れた。
除雪された道をしばらく進み、丘の上の大きな『氷の宮殿』に着いた。
屋根も壁も、朝陽に照らされた雲のように白く輝いている。あまりの美しさに、うっとりと見入った。
「ミーシャ・ガーネットさま。ようこそお越しくださいました」
宮殿の前にいたのは、陛下の宰相で側近、ジーン・アルベルトだ。にこやかに出迎えてくれて、ミーシャも笑みを返す。
「宰相さま。たくさんのお心づかい、ありがとうございます」