炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
「ユナとサシャ」
「はい、ミーシャさまなんでしょうか」
「私の侍女になってくれて、本当にありがとう。困ったことがあったら言ってね?」
呼び止めてお礼を伝えると、二人はまた固まった。
「ミーシャさま、困ります。とりあえずじっとしていてください」
ユナとサシャじゃなく、ライリーが口を開く。ミーシャは「ごめんごめん」と言ってから、大人しくドレッサーの前に座りなおした。
空が茜色に染まるころ、三回、ドアがノックされた。
「予定の時間より早いわね」
お迎えが来たと思い、ミーシャはあわててドレスの裾の皺を伸し、身だしなみを整えた。
「どうぞ」と声をかけると、ドアを開く。
中に入ってきたのはリアムだった。