炎の魔女と氷の皇帝*転生したら弟子と契約結婚をすることになりました*
陛下の寵姫
「我が妃は、さっそく人気者だな」
リアムはミーシャに近づくと、顔を覗きこんだ。
「顔色が悪い。……傍を離れるんじゃなかった。すまない」
風に当たりたいと離れたのはミーシャなのに、リアムは責めるどころか気づかってくる。相手を優先するやさしい彼に胸が苦しくなった。
「リ……陛下。お気づかい、ありがとうございます」
「話は聞こえてきた。ビアンカ皇妃、我が妻となる者に失礼な態度や陥れるような発言は慎め。今後、いっさい許さない」
リアムに睨まれたビアンカは眉根を寄せて、言葉を噤んだ。頭を下げてから、後ろにさがる。
「それで? なぜ炎の鳥の話に?」
「ぼくです。ぼくが、見せて欲しいって、お願いしたの!」
ノアが前に出て、必死になって説明した。ミーシャも付け加える。
「ノア皇子に炎の鳥を見せてあげたくて、外へ向かおうとしていたんです」
彼はノアの前に跪いた。
「ノア。なんにでも興味を持つことはいいことだ。俺も昔、クレア師匠に炎の鳥を見せて欲しいと、何度もお願いをした」
「陛下も?」
リアムは少しだけ口角をあげて頷いた。それからすっと立ちあがり、ミーシャを見た。
「令嬢。炎の鳥を見せてもらってもいいか? できればノアだけじゃなく、みんなにも」
ミーシャは目を見開いた。周りにいた人もざわめき立つ。
「今、ここでお見せするのですか?」
「そうだ」
視線を列席者に向けた。
目が合った客人たちは恐ろしそうに顔を歪め、距離を取るためさがった。他の人もパートナーと肩を寄せ合い、すっかり怯えて萎縮していた。これ以上、怖がらせたくはない。
見せるのを断ろうと思い、視線を戻したときだった。リアムはミーシャに近づき耳打ちをした。
「いい機会だ。魔女は怖くないと示してくれ」
リアムはミーシャに近づくと、顔を覗きこんだ。
「顔色が悪い。……傍を離れるんじゃなかった。すまない」
風に当たりたいと離れたのはミーシャなのに、リアムは責めるどころか気づかってくる。相手を優先するやさしい彼に胸が苦しくなった。
「リ……陛下。お気づかい、ありがとうございます」
「話は聞こえてきた。ビアンカ皇妃、我が妻となる者に失礼な態度や陥れるような発言は慎め。今後、いっさい許さない」
リアムに睨まれたビアンカは眉根を寄せて、言葉を噤んだ。頭を下げてから、後ろにさがる。
「それで? なぜ炎の鳥の話に?」
「ぼくです。ぼくが、見せて欲しいって、お願いしたの!」
ノアが前に出て、必死になって説明した。ミーシャも付け加える。
「ノア皇子に炎の鳥を見せてあげたくて、外へ向かおうとしていたんです」
彼はノアの前に跪いた。
「ノア。なんにでも興味を持つことはいいことだ。俺も昔、クレア師匠に炎の鳥を見せて欲しいと、何度もお願いをした」
「陛下も?」
リアムは少しだけ口角をあげて頷いた。それからすっと立ちあがり、ミーシャを見た。
「令嬢。炎の鳥を見せてもらってもいいか? できればノアだけじゃなく、みんなにも」
ミーシャは目を見開いた。周りにいた人もざわめき立つ。
「今、ここでお見せするのですか?」
「そうだ」
視線を列席者に向けた。
目が合った客人たちは恐ろしそうに顔を歪め、距離を取るためさがった。他の人もパートナーと肩を寄せ合い、すっかり怯えて萎縮していた。これ以上、怖がらせたくはない。
見せるのを断ろうと思い、視線を戻したときだった。リアムはミーシャに近づき耳打ちをした。
「いい機会だ。魔女は怖くないと示してくれ」