直月くんは、キケンな恋に沼りたい
「直月がお昼休みにゆっくり休めるように、学園のいざこざを解決しまくってあげるの」
「喧嘩の仲裁だぞ? 暴走族の奴らは、血の気が多いから亜里沙には……」
「大丈夫だよ。私、武道習ってたし」
「自分の強さを過信してるところが、危なっかしいって言ってるんだ」
「直月だって17歳でしょ。私と一緒。直月にできて、私にできないはずがないでしょ?」
「あのなぁ……」
「直月がダメって言っても、ついてまわちゃうからね」
直月が小言を言っている。
「亜里沙のためを思って」とか、グチグチくどくど。
でも止められないよ。
私はもっと、直月と一緒にいたい。
直月のためになることは、何でもしてあげたいんだから。
私はスキップで直月の前まで距離を詰めると
「また、お昼休みにね~」
はじける笑顔でウインクを飛ばし
昇降口に向かって走り出した。