直月くんは、キケンな恋に沼りたい
「亜里沙ちゃん、ついに直月君からOKもらったの?」
「やったじゃん、うちらもずっと亜里沙ちゃんの恋を応援してたから嬉しいよ~」
廊下ですれ違う女子達に、勘違いされているにもかかわらず
「イェイ!」
肯定するかのように、亜里沙は両手ピースを返しているし。
「直月先輩と亜里沙先輩が、並んで歩いてる!」
「めっちゃ絵になる。眼福~。カップルで推せるよ~」
ちょっと離れたところにいる後輩女子たちは、キャーキャー盛り上がってるし。
亜里沙が隣にいるだけで、メンタルが病む。
誰かこのピンクツインテールを、連れ去ってくれないかな?
僕の目に入らない、遠い所へ。
そんなことを願いながら廊下を歩いていると、僕の願いはすぐに報われた。
神様は存在するのかもしれない。
「直月、こっから別行動ね」
亜里沙はあっさりとバイバイ宣言をして、僕の前から走り去ったから。