直月くんは、キケンな恋に沼りたい


「あぁ~、やっぱり重すぎじゃん。10冊以上あるんだもん、腰痛めるよ」


「だから、返してってば」


「キミ、名前は?」


「竹ノ内……実春(みはる)……ですけど……」


「みはる君かぁ。綺麗な名前」


「女子に間違えられるし、僕は嫌いです」


「私も苗字は嫌いだし、気持ちわかるなぁ。じゃあ、竹ノ内君って呼ばせてもらうよ。私は2年の亜里沙」


「……亜里沙先輩」


「じゃあ、行くよ」


「えっ?」


「耳痛くなるかもだから、耳の穴をふさいでおいた方がいいかも」


「いいっ…いきなり空気をめいっぱい吸い込んで、何をするつもりですか?」


「あのさ~! たけのうち君~~!」


「うわっ! ろろろ…廊下で、大声を出さないでくださいよ!」


「私ね~ 図書室まで本返しに行くんだけど~ 半分持ってくれるの? ありがとう~」


「それは、僕が返す本で……」


「シー」


「?」
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