直月くんは、キケンな恋に沼りたい


「男のプライドが面倒だってことはわかってるよ。私のお兄ちゃんも、こういう時に絶対女の手は借りない奴だし。でもさ……」


「……」


「女の私にもプライドはあるんだよ。助けられる人がいたら、手を差し伸べたいって意地になっちゃうプライド」


「……」


「『そんな気遣い、いらんわ!』ってウザがられることも多い、厄介ものなんだけどね」


「……」


「意地っ張りな私を助けると思ってさ、一緒に図書室まで付き合ってよ。お兄ちゃんの上から目線でムカつくところ、竹ノ内くんに聞いてほしいし。ねっ!」



「……そこまで言うならわかりました」


「やったぁ~」


「でも僕にもプライドがあります。亜里沙先輩より、2冊多く持たせてください」


「アハハ~ OKOK」


「先輩のおせっかいなプライド……僕は良いと思います……」


「そう言ってもらえると、竹ノ内くんに声をかけて良かったって思えるよ。ほんとサンキュ。じゃあ図書室まで行きますか」


「はい」
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