直月くんは、キケンな恋に沼りたい
「いってきまーす」と、玄関を出て
「直月、可愛いって言ってくれるかな?」
ルンルン気分で校門をくぐる。
あっ、いたいた。
滅多に笑わない、クールな王子様。
朝日に照らされて、青っぽく光る直月の髪。
綺麗なんだよね~。
これで地毛って。
切れ長の目も、スッと高い鼻も。
形のいい唇も全パーツがパーフェクトだし。
勉強も運動もできる。
苦手科目はゼロ。
神様ってば、直月に良いものを授けすぎでしょ。
無表情で立っているだけで乙女心を惑わしちゃう。
罪深い男なんですよ、直月は。
『高2になって、直月君は女子から告白されなくなったらしい』
そんな噂は、未だに信じられないけれど。
確かに最近、告白される直月を見たことはない。
高1の時は、女子に迫られまくりって感じだったのに。
毎回毎回
『僕は、恋愛する気はありませんから!』
キッパリと断っていたけれど。
まぁ~そんなことは置いといて。
直月のところに行こうーと。