直月くんは、キケンな恋に沼りたい


「いってきまーす」と、玄関を出て


「直月、可愛いって言ってくれるかな?」


ルンルン気分で校門をくぐる。




あっ、いたいた。

滅多に笑わない、クールな王子様。


朝日に照らされて、青っぽく光る直月の髪。

綺麗なんだよね~。

これで地毛って。


切れ長の目も、スッと高い鼻も。

形のいい唇も全パーツがパーフェクトだし。


勉強も運動もできる。

苦手科目はゼロ。


神様ってば、直月に良いものを授けすぎでしょ。



無表情で立っているだけで乙女心を惑わしちゃう。

罪深い男なんですよ、直月は。



『高2になって、直月君は女子から告白されなくなったらしい』


そんな噂は、未だに信じられないけれど。


確かに最近、告白される直月を見たことはない。

高1の時は、女子に迫られまくりって感じだったのに。



毎回毎回

『僕は、恋愛する気はありませんから!』

キッパリと断っていたけれど。




まぁ~そんなことは置いといて。

直月のところに行こうーと。

< 42 / 159 >

この作品をシェア

pagetop