直月くんは、キケンな恋に沼りたい
私は後ろを振り向けない。

でも間違いない。

今、私の手首を掴んでいるのは直月だ。



ここは校舎内。

登校してきた、たくさんの生徒の目がある。


普通に接しなきゃ、今まで通りに。

顔に太陽みたいな笑顔を張り付けて……



「直月、おはよ!」



良かったぁ。

笑顔作れた。



「あっ、ああ……おはよう……」



私が振り向いた瞬間、直月は掴んでいた私の手首を、気まずそうな顔で離したけど……


なぜ私を追いかけてきたの?

まだ、風紀委員の仕事が残っているでしょ?


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