直月くんは、キケンな恋に沼りたい
亜里沙side
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☆亜里沙side☆
目立たなくなっちゃったなぁ、私の髪。
みんなと同じ真っ黒だ。
これじゃあ直月に、すぐに見つけてもらえないのに……
職員室の天井を仰ぎながら、深い溜息をこぼす私。
昨日、完全に失恋をした。
にもかかわらず
モヤモヤはまだ、心の中に居座ったまま。
「こら、ちゃんと聞いてるのか、権蔵寺」
――はいはい、聞いていませんでした。
本当のことなんて、頑固教師に言えるはずもなく……
「ちゃんと聞いてるってば~ だから早く、教室に返してよ~」
私は顔にスマイルを張り付け、軽いノリでニコニコニコ。