【BL】SAY YOU LOVE ME
その時。
♪ ピンポーン
広いリビングにチャイムの音が鳴り響いた。
反射的にビクッと僕の体が揺れた。
唐突なタイミングに心臓がドクドク跳ねる。
涼さんは大して驚いた様子もなく、ソファから立ち上がるとキッチン横にある液晶パネルを操作した。
「あれ?遠山?どうかした?」
知り合いらしい口調に、思わず僕は画面を見る。
そのシルエットは女性のようだった。
ハキハキした声が返ってきた。
「どうかしたじゃないわよ!あんた今日ずっとここにいた?
ちょっと鍵開けて!」
え……
あっ、僕帰らなきゃ!
慌てて僕は身支度を始めた。
「マネージャーが来たよ…ちょっと待ってて」
僕の動きを右手で制して、涼さんは玄関に向かって行った。
すぐに玄関先で揉めているような言い争いが聞こえてくる。