【BL】SAY YOU LOVE ME



マネージャーさんは高そうな手帳を取り出し、何やらビッシリ書かれたスケジュールページを眺め


「……う〜ん」


と唸った。


しばらくして後半のメモページにさらさら文字を書きビリッと破った。


「年明けになるけど…
1月2日はどうかしら?」

手渡された紙切れには
【1月2日午前10時
六本木○×ビル】


と書かれている。



現実味を帯びて進む事態に、僕はじっとその紙切れを見つめた。



どうしよう……
断るなら今のうちだ…


そりゃオーディションだし受かるとは限らないけど。
受けるだけで関係者の時間を無駄にさせてしまうことになるし、
何より他の参加者は真剣に、心からoneのヴォーカルになりたくて受けるに違いないのだ。



僕は紙切れを胸に押し付けた。
淡い夢など見てはいけない……




「お前な、正月三が日の最中じゃミナトくんだって用事があるだろ……」

その時涼さんがするっと上から腕を伸ばし、僕の手から紙切れを抜いた。


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