【BL】SAY YOU LOVE ME







大理石とシャンデリアが豪華なエントランスには、
マスコミ関係と思われる、この三ツ星ホテルに相応しくない格好をした集団がたむろしていた。



入るだけでも緊張しなかなか一歩が踏み出せなかった僕も
その集団を目にして不思議に安心した。



スーツなんて持っていないから、なるべくキレイにまとまった服装をするのに苦労し、
あげく靴だけはどうにもならずにスニーカーでやって来たのだ。


もしかしたら入り口で断られるかも知れない、
という心配は、このGパンにジャンパーを羽織り、カメラや集音機を抱えている集団のおかげでなくなった。




だけど

同時に彼らの落ち着きのなさや
聞こえてくる会話に

とうとうあの事実が公になるという現実味が増す。



僕はマネージャーさん、
遠山さんから貰った名刺を手にエレベーターへ乗り込んだ。



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