【BL】SAY YOU LOVE ME


格好などの話ではなく
自分がひどく場違いな所に来てしまったことを後悔してしまう。


どうしてあの時断りきれなかったんだろう。
いや、どうして今日こうして来てしまったんだろう?



ファンとしてこの会見を生で見れるというのは
確かにこの上なく魅力的な誘いではあったのだけど。



僕自身があの話に関わることなど
会見で何が話されたとしても有り得ない。



なのに、どうして?
自分がどうしたいのか
自分の気持ちが分からない……





腕時計を確認すると時間は会見開始予定に近づいていた。
開け放たれた扉から大型のテレビカメラが入り始めた。



会場の後ろ側が不自然に空間が空いていたのはカメラの場所だったのか。
かなり広い筈の会場が、圧迫感がある程に人と機械で埋め尽くされた。



僕が座らされた場所はマスコミ関係の人達とは違い
おそらく事務所やレコード会社など、ONEにとって身内の関係者が座る場所らしかった。



周囲に座り始めた関係者から
多少不審な顔をされながら
僕はその時を待った。



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