【BL】SAY YOU LOVE ME
タクシーが走り出すと、涼さんがハァハアと肩で息をしているのに気づいた。
ネクタイに指をかけ緩めると、苦しそうに喘いだ。
「大…丈夫ですか?
会見はどうしたんですか!」
詰め寄る僕に涼さんはイタズラっぽく眉毛を上げた。
「ミナトくんが帰るのが見えたから、抜け出して走ってきちゃった」
「え!!」
一瞬にして僕はざっと血の気が引いたけど、涼さんはのほほんとしている。
「平ー気。
Kouも社長も居るし
上手くまとめて終わりでしょ…」
そんな……
今日の会見は涼さんがメインなのに
「会見なんかより……
ミナトくんの後ろ姿を見ちゃったらさあ――
気づいたら追いかけてたんだよ。
遠山には強がったけど、
今追わなきゃ二度と会えないような気がしてさ」
そう言った涼さんが僕の目を見てふっと微笑んだ。
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