【BL】SAY YOU LOVE ME
思わず、はっとして手が止まった。
「ミナトく…
「涼さん、僕ホントは――」
言いかけたミナトくんの目から
涙がこぼれ落ちた。
「ホントは――
涼さ…の力になりたいのに……
ごめんなさい」
ポロポロ泣くミナトくんを、オレは呆然と見つめた。
泣……かせるつもりはなかったんだけど、
弱った――
自分の意志ではどうにも止まらないように、どんどん溢れる涙を必死に手の甲で拭っている。
「ごめんなさ……」
オレは水のコップをテーブルに置くと、
ためらいながら右手を伸ばした。
男にこんなこと
した事ないし
やられる方もどうよ?とは思うけれど。
柔らかい猫っ毛の後頭部を引き寄せて
静かに胸に抱えた。
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