【BL】SAY YOU LOVE ME
それに、
あの男の人………。
あんなにカッコイい人は見たことが無い……。
メガネの奥の、澄んだ切れ長の二重から目が離せなかった。
180センチはゆうに超えたモデルのように長い足だった。
長髪らしくカールがかった金髪が見えていたっけ。
あの帽子とメガネを取ったら一般人には見えないだろうな。
僕は記憶の中の男をぼんやり思い浮かべた。
「それで、いかがなさいますかお客様」
太っちょ店長の声で現実に引き戻された。
「あ、ハイ。そうだなぁ……こんなにあるとは思わなくて、お金の手持ちも無いですし、この中から目当ての曲を探すのは至難の技ですね」
「何かお探しの曲がおありでしたか。こちらのバンドの曲に詳しい店員がおりますのでお呼び致しましょうか?」
店長の申し出に慌てて手を振った。
まさかこの場でこんな曲、と歌ったりは出来ない。
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