【BL】SAY YOU LOVE ME


「そうなんでしょうか……
――ううん、多分……そうなんだと思います。
母の死を喜んだ自分が許せません」



泣きはらした顔から表情が消え、ミナトくんの目がうつろに淀んだ。



こればかりは簡単に
“忘れてしまえ”とは言えない。


大きな傷口なんだろう。

きっと時間をかけて
ゆっくり解決すべき問題だ。
果たして今
彼をヴォーカルにしたいがために無責任な意見を押し付けたり、急いで応急処置したところで
それが彼の自由な未来に繋がるだろうか?




答えは勿論違う。
けれど

いくら時間がかかろうと、ミナトくんを待ちたいと心から思う。

一体どうすれば……


.
< 163 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop