【BL】SAY YOU LOVE ME
頭を抱えていると
ふと、オレは別の角度の感情に思い至った。
「ねぇミナトくんは……
もし過去に何もなければ
普通に芸能人になりませんかってスカウトされたとして
やりたいって思うのかな?」
突如投げかけた質問に
何も写っていなかったミナトくんの瞳に困惑が浮かんだ。
「思い……ません
僕、芸能界に疎いしテレビも見ないし……
興味がないから、
昔の事は関係なく
やらないと思いま――」
そう呟いて
ハッとミナトくんは息を飲んだ。
そう――
過去はどのみち関係ないんだ。
じゃあ何で?
何でこの話を
本当はやりたいと?
それを
考えてくれ
オレにその理由を教えてくれ。
それが
キミの決断じゃないか?
いつか
浄化できる
後悔を持ったまま
新しく踏み出すことを可能にするのは
キミの意志ひとつ。
オレは
祈った、誰かに。
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