【BL】SAY YOU LOVE ME
「谷が言うことなんて気にしちゃダメだよ!」
電話の向こうでKouさんが豪快に笑った。
深夜近くにも関わらず、早速電話をかけた僕にKouさんは快く話を聞いてくれた。
「でも、裏声が壊滅的だって言われたんです!
ONEの曲には多いから大変だって!
僕どうしたらいいんでしょうか?」
Kouさんはまだ笑っている。
「うんまぁ、多いけど。
まだミナトくんは始めたばかりだし。
今後の曲はミナトくんの音域に合わせるし、そんなに不安に思わないで」
昼間のトレーニングでまさかの大きな欠点が暴露さたのだ。
ただでさえ自信がないのに、目の前が真っ暗になった気分だ。
「でも、ライブなんかもこの先やるんですよねぇ?」
恐る恐る口にした言葉は、想像するととんでもない出来事で…
「そりゃあね」
Kouさんはいともあっさり答える。
「うぅ……
そしたら前の曲も僕歌うんですよねぇ」
「うーん、そうだね。
でも――裏声の安定なんて練習次第だと思うよ?
そんなことより、ミナトくんは涼を意識しないで、自分らしさを確立して欲しいな」
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