【BL】SAY YOU LOVE ME


「え!?」

ロックを開けた車にまたロックをかけてドアに走った。


「客って?男の子じゃない!?」


「はい。以前お連れになって、お名前を頂戴した本城さまです。
お留守だと伝えましたがロビーでもう2時間もお待ちです」



その言葉にロビーに走った。




オレが入って来たことに気づかない小さな頭が、うな垂れているようにソファーの背もたれから見える。



「ミナトくん!」



顔を確認もせず呼んだ。



天井の高いロビーに声は響いた。



肩を大きく跳ね上げて、おびえたような顔が振り向いた。



「涼さん……ごめんなさい……」



泣きそうに顔を歪めた人物は紛れもない、久しぶりに見るミナトくんだった。
管理人に礼を言うとオレはミナトくんの手を取った。




もう絶対逃がさない、と思った。








< 188 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop