【BL】SAY YOU LOVE ME
「え!?」
ロックを開けた車にまたロックをかけてドアに走った。
「客って?男の子じゃない!?」
「はい。以前お連れになって、お名前を頂戴した本城さまです。
お留守だと伝えましたがロビーでもう2時間もお待ちです」
その言葉にロビーに走った。
オレが入って来たことに気づかない小さな頭が、うな垂れているようにソファーの背もたれから見える。
「ミナトくん!」
顔を確認もせず呼んだ。
天井の高いロビーに声は響いた。
肩を大きく跳ね上げて、おびえたような顔が振り向いた。
「涼さん……ごめんなさい……」
泣きそうに顔を歪めた人物は紛れもない、久しぶりに見るミナトくんだった。
管理人に礼を言うとオレはミナトくんの手を取った。
もう絶対逃がさない、と思った。