【BL】SAY YOU LOVE ME


「す、すみません!」

青ざめたミナトくんが涙を拭った。




違う…


そんな理性を盾にしたって自分に嘘をついているだけだ。
嫉妬に狂っていると認めたくないだけ…


その男にオレは嫉妬している。
ミナトくんに非はないのに八つ当たりしているだけ。



こんな状態のオレじゃ何も解決出来ないだろう。
レコーディングどころか、このままバンドを維持出来るとは思えない。





『バンド内の恋愛はタブー』

なんて、バンドを始めた頃に仲間達とよく話していたな。

実際メンバーに女を加えたことは無かったけれど、あの連帯感の中でもし女が居たら確かにややこしいだろう。
そういうバンドが解散するのも見て来た。
対岸の火事だったのに…


もうオレ達は楽しいだけで音楽をやっているのではない。
行動や発言が多くの人に影響を及ぼすことは見にしみている。


オレの感情だけでバンドにも会社にもこれ以上の迷惑はかけられないんだ…



オレは携帯の電源を再び入れた。
画面にはあのメールだけでは納得しなかったらしい遠山からの着信履歴が残っていた。







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