【BL】SAY YOU LOVE ME


涼さんは遠山さんの顔を見ることもしなかった。

「そういう意味だよ。そこはあまり詳しい説明を求めるなよ。
ミナトくんだって好きでしていた仕事じゃない…」


下を向いたままの涼さんに、遠山さんは青い顔をした。



「知ってたの?」

「え?」


「涼はそれを知っていてミナトくんを誘ったの!?」


「どういう意味だ…」


ギクっとした時は遅かった。



一瞬で立ち上がった涼さんが遠山さんに詰め寄った。
さすがに胸倉を掴むようなことはしなかったけど、上から厳しい目で遠山さんを睨みつけている。


けれど遠山さんは怯まなかった。



「私に…事務所にちゃんと話すべきだったわ!
分かってるの!?それは――ミナトくんにどんな事情があったとしても犯罪なのよ!?
世間にバレたら致命的なダメージだわ!
もしも決まる前にそれを私が知ったらミナトくんを認めたか?と問われたら答えはNOよ!
それくらい大変なことだわ…」


その言葉に僕は愕然とするしかなかった。


僕は涼さんに…
バンドや事務所に大変な迷惑をかけていたんだ。


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