【BL】SAY YOU LOVE ME
濡れた瞳から涙が落ちたのが答えだった。
「声が出ないヴォーカルはいらないだろ」
部屋を長い沈黙が支配した。
「……明日、病院よね?私が付き添うから、メンバーに招集かけて午後からここで再度話し合いましょう」
諦めたように、感情のない声で遠山が呟いた。
オレは返事をすることなく、無言で部屋を出て、ビルからすぐにタクシーを拾った。
真っ暗なマンションの寝室に入り、電気も点けずベッドに潜り込んだ。
一睡も出来ないだろうぐらい、目は冴え頭痛がしている。
不思議なことにたて続けに曲が浮かんで来たが、書き留める気力は無かった。
書き留めたとしたって、もう歌えない―――
絶望を増長させるだけだった。
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