【BL】SAY YOU LOVE ME
「助かるよミナトが来てくれて。じゃあモップをかけて、椅子を降ろしたらテーブル拭いてくれる?」
うん、と頷き僕はモップを取りに行った。
それを手に戻ると、店内に音楽がかかっていた。
普段の営業中は静かにクラシックやジャズが流れているのに、ポップスらしかった。
「…これ、何流れてんの?」
天井のスピーカーを見つめながらみつるに聞いた。
「ん?有線。店ではママがBGMは静かでなきゃって言うから違うチャンネルばっかだけど、掃除は歌いながらやりたいんだよね」
みつるは前々からこれは何だろうと不思議に思っていた機械を、カウンターの隅でいじってみせた。
チャンネルらしい数字が変わるたびに、演歌や童謡などが流れる。
へぇ、と僕は感嘆した。
「リクエストが出来るんだけど、それが多いほどよく流れるワケ。例えば今ならなんつっても"ONE"でしょ?リターナー見てる!?」
みつるは急に興奮した顔を向けた。
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