【BL】SAY YOU LOVE ME


ママに深い眼差しを向けられ、黙って頷くことしか出来なかった。



店内がしんみりした空気になると、みつるが景気よく手を叩いた。


「さ、お仕事お仕事!お客様も飲んで飲んで!そんで可愛い子はチャッチャと連れてって下さいね」


とたんに店はいつもの賑わいに戻った。



ほっとして僕はカウンターの席に落ち着いた。


「あれ、ミナトくん今日はまだ指名ないの?」


ママと来店した客が顔を上げた。


「ええ今は。後で約束が一人ありますけど」


するとママが客の腕をつねった。


「あーら今日は私と飲むって言ったくせにミナトと行っちゃう気?」


「いいだろママ、お祝いみたいなもんで。ミナトくんがよけりゃ」


ママがもぉ〜と言いながら席をたった。
しかし顔は笑っていて僕にウインクをよこす。


「はいありがとうございます」


その様子を見取って客と一緒にボックス席へ移った。






その直後、店の扉がチリン、と鳴り静かに開いた。



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