【BL】SAY YOU LOVE ME
「……ねぇミナトくん、テレビさん様子変じゃなかった?」
同じように二人を見ていたらしい客の声に、僕は振り向いた。
矢神のことを馴染み客達はテレビさん、と呼んでいた。
「随分、酔ってたみたいですね」
ぎこちなく笑ってそう答えたが、僕も変だと感じていた。
「あれは酔ってるっていうより………」
「え?」
「なんか、危ない感じ。」
眉を寄せた客の顔を僕は見つめた。
「危ない、ってヤダなあ。みっちゃんはあんなに喜んでたのに」
「まぁね。アイツは2丁目のアイドルだからなぁ、ドSのプロデューサーにご奉仕したぶん本物のアイドルになって欲しいよ!」
客はワハハ、と笑うとそれきり矢神の話はしなかった。
一時間ほどして僕はその客と店を出た。
ママが今日は私との約束もあるのよ、と出掛けに釘を刺し、僕にも約束があるので、泊まり(オール)ではなく時間制で戻ってくることになった。
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